ダイビングをやっていると、本当にあった変なお話を見聞するんです。

ダイビング映像配信中、水中映像で綴るへたっぴダイビング日記

ダイビング日記 >> 本当にあった変な話


★ 本当にあった変な話 ★

ここでは私のダイビングにおける体験談や、インストラクターに聞いたダイビング時に起こった実話をご紹介いたします。(決して悪意はございません)

その1 >> タコス事件

OWコースの学科の日、ショップの店員からあれほど予習してきてくださいと念を押されていたにもかかわらず、全くやってこないおじさんがいました。皆の期待を裏切ることなく、おじさんは案の定試験に落ちたんですが、それでもあきらめないインストラクターが
「レギュレーターから”タコの足”みたいにもう1本出ている予備の空気源の名前は?」と質問。正解は「オクトパス」。
インストラクターが「タコの足」と言ったのは、おじさんへの精一杯のヒントだったんですが、しばらく沈黙の後、そのおじさんは思いのほかシッカリした口調で
「・・・タ・・・タコ・・・タコス!」と答えた。
そのおじさんは後日、再試験が決定した。

オクトパス

その2 >> 高級ブランドメッシュバッグ事件

バッグ

伊豆大島へ向かうべく、竹芝桟橋へ。すると待ち合い所で高級ブランドに身を包み、香水の香りを漂わせる、明らかに場違いな女性がお一人。どうやらこの方も講習の参加者らしい。
手荷物は幅30cm程のブランドもののバッグ1つだけ。担当のインストラクターが「器材や着替えは現地に送ったのですか?」と聞くと、その女性は
「いいえ、全てこの中に入っていますわ。ほほほ。」と答えた。
一同の驚いた様子にその女性は、勝ち誇ったような、それでいて上品な笑みを浮かべて、そのバッグを開けて見せた。するとどうだろう、ブランド物の小さなバッグから着替えはもちろん、マスク、スノーケル、フィン、そして最後にキッチキチに折りたたまれたドライスーツまでもが出てきた!いやぁ、おしゃれセレブもここまでくれば立派なもの。


その3 >> 鼻うがい事件

プール実習での出来事。マスククリアというスキルを習った。海中でマスクの中に水が入ったときに、マスクの上部を手で押さえ、鼻から息を出すことで水を押し出すという画期的な(?)技。インストラクターの話によると、このスキルでつまづくヒトも少なくないとか。
それでも受講生の中で、Aちゃんを除いて難なくクリア。Aちゃんも全くできないわけではなく、ただ表情が苦しそうなのと、クリアするまでにみんなより時間がかかるだけで、マスクの中の水はちゃんと抜けている。
全員のスキルが終了した時点で浮上。ただ、Aちゃんだけは表情が冴えない。しかも涙目。それを察したインストラクターが「時間がかかっても良いんですよ。」とフォローを入れるも、納得行かない様子。と、ここで、Aちゃんから思いもよらない大胆発言が飛び出した!
Aちゃん「皆さんどうして平気な顔してできるんですか?」
一同  「?」
Aちゃん「だって普段、鼻からあんなに水を飲むことなんてないじゃないですか。」
一同  「ええええっっっ!!!飲んでたの!?マスクの中の水、鼻から全部飲んでたの!?」
正しいクリアの方法を、もう一度インストラクターから教わったAちゃんは、誰よりも上手にマスククリアができるようになったのだが、何よりもAちゃんの大和魂に、一同感心しきりでした。

マスク

その4 >> 耳に水が!事件

プール実習での出来事その2。初めのうちは浅いプールの水底に、ヒザ立ちの状態になるのもままならなかった講習生も皆、かなり水に慣れてきた様子。プールの深いところ(水深は3mくらいかな?)だって、自分達で自由に泳げるほどに成長。いよいよプールでの講習も終盤に差し掛かり、明日の海洋実習が現実味を帯びてきた頃、突如、Yちゃんが急浮上して水面でバタバタし始めた!インストラクターが大慌てで急行し、「Yさん大丈夫!?どうしたの?」と聞くと、Yちゃんは半ベソになりながらこう答えた。
「耳に・・・耳に水が入ってきたの!」
・・・?今まで何時間も水の中にいたのに、何故今になって気付いたのか・・・?ヒトって不思議な生き物ですね。


その5 >> イバラカンザシ事件

やったー!!とうとう待ちに待った海洋実習。期待と不安で胸一杯。こんな気分になったの、久しぶり。ただ、唯一気がかりなのは、参加者のI氏。この方、見るからに生真面目で笑わないキャラ。昨日のプール講習でも、かなりお疲れになられていたご様子。
インストラクターの説明を聞いた後、いよいよエントリー。意外にも透明度が良く、魚やエビ、カニなど、一風変わった生物も目白押し!
様々な生物を発見する中、特に『イバラカンザシ』というのがとても印象的だった。

イバラカンザシ

この『イバラカンザシ』は、2〜3cmのカラフルなクリスマスツリーのような生き物で、指でつっつくとピュッ!と引っ込むのがご愛嬌。しばらくの間、みんなで引っ込めて遊んだ。

ふと隣を見ると、I氏もマスク越しの目が笑っている。他人ごとながらも、なぜかダイビング始めてよかったと思った。
ただ、不思議なのは、I氏の行動。何故かイバラカンザシを引っ込めるたびに、キョロキョロと周りを見回している。何してるんだろう?
初ダイブも無事終了し、器材置き場へと歩く帰り道、なにやらI氏が、やや興奮気味にインストラクターと話している。
I氏「あれ、なんていう生物ですか?」
イン「イバラカンザシっていうんですよ。キレイでしょ?」
I氏「イバラカンザシ・・・あれ、すごいですね。」
イン「すごい?っと言いますと?」
I氏「すごいですよ。だって触るとモノスゴイ勢いで飛んでいくじゃないですか!もう、どこに飛んでいったのか見えなかったッスよ!」
その話を聞いて、一同大爆笑!!どうやらI氏には「引っ込む」のではなく「ものすごい勢いで飛んでいく」ように見えたようだ。この後、I氏が人気者街道を一気に駆け上がっていったのは言うまでもないです。


その6 >> ドザエモン事件

アドバンスドOWの講習で、コンパスを使ったナビゲーションの練習中、方向が分からなくなった2人組がいた。インストラクターの指示通り、一旦浮上してチームとの合流のため、水面で待機していたところ、親切な海水浴客が「あっ!人が浮いている!!」と警察に通報。講習生全員でビーチに着いた頃には、パトカーやら救急車やら消防車がズラリ。警察官の一人がインストラクターに「人が浮いているという通報があったのですが、あなた達ですか?」と質問。そのときは私達のチームしか海に入っていなかったので、インストラクターは「そうだと思います。」と答えた。すると、あろうことかそのインストラクターは”事情聴取”という名目で警察に連行された!後で聞いたところによると、そのインストラクター、”始末書”のようなものを書かされそうになり、「ダイバーが浮いて何が悪いんだ!!」と、取り調べ室でブチ切れて帰ってきたそう。かわいそうにね。


その7 >> 猛毒!ウニ事件

アドバンスドOWの講習では様々な事件が起こる。まさに『魔物の住む講習』。
大学生のC君とD君は大の仲良しで、ダイビングに行くときはいつも2人一緒。そんな2人の起こした事件。
ナビゲーションの練習中は、インストラクターが常にそばにいるわけではなく、2人組み(バディと言う)になって、自分達で方向を判断しながら、一辺が15メートルほどの正方形を描き、元の場所に戻ってこなければいけない。といっても水中には『迷子防止』のロープが張ってあるので、割と安心。
3組中1組目がスタート。数分後、2組目のC君・D君チームの番になり、2人は仲良くスタート地点から、なぜか猛烈な勢いで泳ぎだして行った。若ぇなぁ。最後の組は私達。コンパスを見ながらゆっくりと泳ぎ始める。1つ角を曲がり、2つ角を曲がり、3つ曲がってまっすぐ行けば、ゴールにインストラクターが待っているはず。するとぼんやりとインストラクターの姿が見えて一安心、と思ったのもつかの間、あれ?私達より先に出たはずの、しかも猛烈な勢いで泳いでいったC君・D君チームがいない?
ゴール地点で待つこと数分。インストラクターが戻る気配のない2人を探しにいくため、私達にここで待つようにと指示を出した。
しばらくするとインストラクターに連れられて、C君・D君が無事生還。よかったよかった。
全てのスキルが終わり、ビーチに戻ったとき、インストラクターがC君・D君に「どこで迷子になっちゃったの?」と聞くと、2人は恥ずかしそうに答えた。
C君「いや・・・迷子じゃなかったんです・・・」
D君「こいつが急に浮上しろって合図出してきたんですよ!」

ガンガゼ

どうやらナビゲーションの途中、浮上を命じられたD君は、ガンガゼというウニ(大した毒はない。刺されてもチョット痛いだけ。)に、指を刺されたらしい。そして、偶然の悪戯というのは恐ろしいもので、D君は講習前日、ダイビング代を稼ぐため、夜遅くまでアルバイトをしていたのだが、実は彼、『寝不足でダイビングすると鼻血が出る』という特異体質の持ち主。それを知らないC君が、水中でウニに刺されたとD君に指先を見せられたとき、D君の鼻から血が出ていることに気づいたものだからさぁ大変!C君にしてみれば

「いかん。いかーん!オレの親友のDが猛毒のウニに指されて鼻血出しよった!!」ということだ。本人曰く「Dの身体に毒が回らない内に浮上しなければ!」と考え、迷子防止用のロープを尻目に水面まで浮上したものの、浮上を命じられたD君はサッパリ訳がわからず、結局ロープを見失った2人とも当然迷子というのが事の顛末らしい。
ほんの数分の出来事でしょうが、親友の生命の危機に直面したC君は、彼の人生で最大の決断を迫られ、D君は半パニックになった親友から理解できない謎の浮上命令を下されたのだから、この講習は彼らを大きく成長させたに違いありません。


その8 >> ウエイトを捨ててください事件

レスキューダイバーコースでの一幕。おぼれる役のダイバーに向かって、まずは1番に浮力を確保させるべく「ウエイトを捨ててください!」と指示。その後レスキューに向かうというシチュエーション。救助活動が終わり、全員がビーチに集合したとき、器材の回収係りのダイバーが戻ってこないことに気が付いた。
沖を見ると無理して全員分の器材やらウエイトやらの回収に悪戦苦闘、というより完全におぼれかけている!
そこで、ビーチにいた講習生全員で、その講習生に向かい、声をそろえてこう叫んだ。
「ウエイトヲステテクダサーイ!!」
うーん。この講習、役立つものですね。


その9 >> 水中カメラ強奪事件

ウミウシSP講習の日。生き物好きな私は生き物SPをマメに受けたりする。生き物系SPは、見つけた生き物をスケッチするかカメラで写すかして、記録していかなくてはいけない。不精者の私は水中でスケッチは大変なので、例によってビデオカメラを持って潜っていた。
ウミウシ探しも少しずつ進み、撮影もしながら受講も順調。すると、水中で突然インストラクターが私の水中ビデオカメラを奪い取って、一目散に泳ぎだした。
いきなり奪われた私は何が起こったのかわからず呆然。しばらくして、インストラクターが戻ってきてカメラを返してくれた。
実習も終わって、陸に上がった後、「いったい何だったんです?」と聞いてみた。
私のビデオカメラに取り付けてあるライトは、照らした場所が赤くならないよう色温度変換フィルター(光の色を白くしてくれる便利なもの)がかぶせてあるのだが、ライトとフィルターの間に入っていた水を、ライトの水没と勘違いしたインストラクターは、「やばい!ライトが水没している」と判断、ビデオ用ライトの中に入っているバッテリーは強力なものなので、水につかると爆発することがあるらしい。流石はプロのとっさの判断で「みんなのそばで爆発させてはいけない」と考えたインストラクターは、カメラ毎奪って、私達ツアー客を尻目に一目散に泳いでいったということらしい。
ただのライトとフィルターの間に入っている水と解って戻ってきてきた。
インストラクターって大変なお仕事のようですね。身を呈して、私達を爆発の危機から救ってくれたインストラクターさん、ありがとう。


その10 >> クマノミ黙殺事件

宮崎はコーラルが異常に多い。ハードコーラル(珊瑚)もよく見られるが、ソフトコーラルの多さは尋常ではない。珊瑚は何度も見ていると同じ色で派手さに欠けていることがだんだんわかってくるのですが、ソフトコーラルは、色んな色が鮮やか、まさしくお花畑で飽きることがない。と、コーラルはそういう雰囲気ですが、そういう海はどうやらクマノミ(亜熱帯性)に異常に住み心地がよいらしいのです。クマノミがうじゃうじゃいる。
うじゃうじゃというようなものではない。クマノミというと、イソギンチャクに隠れて、顔をひょっこりだしているのがご愛嬌(実は、警戒して威嚇している)で、伊豆ではクマノミの住処が見つかると直ぐ人気ものになるのですが、あそこのクマノミ達は、ここは私達の海よんと言わんばかりに泳ぎ回っているのである。私はその光景に呆れてしばらく見入っていた。
すると、同行していただいた現地インストラクターさんが、おもむろにスレート(水中で筆記会話する道具)を取り出し、上を指差してネンブツダイと書いて、自慢げである。いや、そうじゃなくて、我が物顔のクマノミの群れである。隠れないのである。ネンブツダイ(温帯性)の群れは宮崎では珍しいらしいのですが、ネンブツダイなら、恐らく伊豆で既に1000万匹は見てきたと思う。伊豆に行けば必ずいるのがこの方々で、確かに囲まれると、ヒッチコックの「鳥」を思わせる凄さなのはわかる。しかし、伊豆に行けば必ず会えるのが、この方々なのだ。
ネンブツダイの大群を見て、興奮気味だったインストラクターさん、ごめんなさい。いつでも伊豆で会えますよ。私も好きです。イシモチの仲間(ネンブツダイ含む)に囲まれると楽しいです。でも、恐らく日本の他県のダイバーさんは、いつも見ていらっしゃるようで気にもされていらっしゃらなかったご様子の、我が物顔のクマノミの群れに先に驚くとおもいますぅ。


その11 >> 身近にいた、やはり、本当の事件

今回は笑い話ではありません。とても身近に、やってはいけないケースをされた方が、やっぱりいらっしゃったので、やはり、参考までに書いておきます。
大学の先輩でとてもエネルギッシュな女性の方(今でも毎日10Km走っているとか)がおりまして、新婚旅行はモルジブでと決め、日本でOWDのライセンスだけ取って、一路モルジブへ行った時のお話。
私は行ったことがありませんが、モルジブは、とても海流の流れが速く、かつ珊瑚礁を保護するため、ダイビングをする前に、プレダイブチェックでスキルを確認してからでないと、ダイビングさせない習慣になっていると聞いております(鬼教官O氏談)。
この先輩が不幸だったのは、現地のホテル内ダイビングサービスが、プレダイブチェックをしなかったこと。
OWDで4〜5回海中に入ったぐらいの経験量では、浮力の調節や速い流れへの対処はまだできません。当然のことながら、先輩夫婦は、海にドボンと入った後、しばらくじたばたしながら海中にいて、その後流されていきました。
その後水面に出て、浮力を確保(BCDに空気をいっぱい入れて、浮き輪状態にする)して、一緒に追っかけてきたインストラクターが、シグナルフロート(蛍光色をした位置を知らせる道具、1Kmぐらい先から視認できる)をあげて、漂うこと1時間。
慣れたダイバー同士であれば、単純な笑い話ですが、あのエネルギッシュな先輩が、もの凄く心細い1時間だったそうです。1時間後、船に発見してもらって、無事帰還、という顛末。
ダイビングはとても研究されていて、事故率で言えば、他のスポーツ、レジャー(ゴルフでさえ)よりも、事故遭遇確率が低い遊びです。実際、この先輩も無事生還、心細かっただけ。
ですが、それも、研究成果を十分に享受できるようにすることが前提。
私は、いきなりリゾートダイバー(海外リゾート地でしかダイビングをしない人)になるより(私の知人にもいます、後輩で、海外の南の海でしか潜ったことがないOWDのままの女の子。それで楽しいのだから、それはそれでもいいのです、たぶん、難易度の高くない島やポイントに行っているのだと思います、それで十分綺麗な海ですから)、ある程度までは、お住まいの近くのインストラクター(ダイビングショップやダイビングサービス)に、どの程度上手になったか相談しながら、そして、旅程を決めるのが一番よいと思います。
海外で難易度が高いと言われているのは、パラオ、モルジブ等。旅行代理店が綺麗な海をキャッチフレーズに広告していますが、そうした場所は、パックツアーでいきなり行くのではなく、それなりに準備してから、行くことをお勧めします。


※いやぁ、ダイビングって本当に、色々な事が起こるものです。だからやめらんない。